公開データ

このプロジェクトについて

危機言語データベースとは?

このページは、日本の消滅危機言語・方言の音声データを紹介するページです。 国立国語研究所では、共同研究プロジェクト「消滅危機方言の調査・保存のための総合的研究」(2010年度~2015年度、代表者:木部暢子)、「日本の消滅危機言語・方言の記録とドキュメンテーションの作成」(2016~2021年度、代表者:木部暢子)、「消滅危機言語の保存研究」(2022~2028年度、代表者:山田真寛)を実施しています。 ここでは様々な地域のデータを公開しています。

このプロジェクトについて

いま、世界中のマイナー言語(規模の小さな言語)が消滅の危機に瀕しています。 現在、6,000から7,000ある世界の言語のうち、半数がこの100年のうちに確実に消滅し、最悪の場合、10分の1、20分の1にまで減ると言われています。 その背景には、人口の都市集中化により周辺地域の人口が減少してしまったこと、社会的・経済的理由によりマイナー言語を使っていた人々がその言語の使用をやめてしまったこと、 災害や紛争により人々が生まれた土地を離れなければならなくなったことなどの状況があります。

マイナー言語の消滅に関しては、次のような意見もあります。 言語の消滅は社会変化の結果であってしかたがない。あるいはもっと積極的に、言語は統一された方が便利だ。 危機言語を守る必要はない。

しかし、そもそも、なぜ、言語が多様になったのか考えてみて下さい。おそらく、各地の言語は地域の自然や人々の生活、ものの考え方などに基づいて、 長い時間をかけて形成されていったのだと思われます。 それらが消滅するということは、長い歴史の中で醸成された人類の智恵が失われてしまうことを意味します。 生物の多様性が地球を豊かにしているのと同じように、言語の多様性は人類を豊かにしているのです。

このような状況に警鐘を鳴らしたのが、2009年のユネスコの「消滅危機言語」の発表です。 2,500の消滅危機言語のリストの中には、日本で話されている8つの言語―アイヌ語、八丈語、奄美語、国頭語、沖縄語、宮古語、八重山語、与那国語―が含まれています。 しかし、消滅が危惧されるのはこれだけではありません。 日本各地の伝統的な方言もまた、消滅の危機にあります。 これらを記録し、その価値を訴え、継承活動を支援することがこのプロジェクトの目的です。

公開データ一覧