談話

五月の行事について(真栄平房敬)

沖縄首里

本談話について

真栄平房敬氏による五月の行事についての回想の語りです。4分23秒。

真栄平房敬 ‘うちなーうてー んかしから しちしちに ゆってぃ めーじち しちびぬ ‘あいびーしが
ʔutʃinaːuteː ŋkaʃikara ʃitʃiʃitʃini jutti meːʒitʃi ʃitʃibinu ʔaibiːʃiga
「沖縄では昔から折節(月々)によって毎月節句がありますが」
真栄平房敬 やしが じゅーぐゎちびかーのー ねーやびらん.
jaʃiga ʒuːgwatʃibikaːnoː neːjabiraɴ.
「だけど十月だけはありません。」
真栄平房敬 くれー ‘あちはてぃ じゅーぐゎちんでぃ ‘いちょーいびーん.
kureː ʔatʃihati ʒuːgwatʃindi ʔitʃoːibiːɴ.
「これは、時間をもてあます十月といっています。」
真栄平房敬 やれー ぐんぐゎちぇー ちゃーる しちびぬ ‘あがんでぃ ‘いぇー
jareː guŋgwatʃeː tʃaːru ʃitʃibiɴu ʔagandi ʔjeː
「では、五月はどのような節句があるかというと」
真栄平房敬 まじ ぐんぐゎちぐにち えー ぐんぐゎち ゆっかぬ ふぅぃー.
maʒi guŋgwatʃiguɴitʃi eː guŋgwatʃi jukkanu hwiː.
「まず五月五日えー五月四日の日」
真栄平房敬

「」
真栄平房敬 わらびんちゃーんかい ‘いっぺー ‘うぃーりきさる ふぅぃー やてぃ
warabintʃaːŋkai ʔippeː ʔwiːrikisaru hwiː jati
「子供達に(とっては)大層うれしい日であって、」
真栄平房敬 くれー ‘うやぬ ちゃーから ‘いる‘いるぬ いーりむん いーてぃ ‘あしぶくとぅ 
kureː ʔujanu tʃaːkara ʔiruʔirunu iːrimuɴ iːti ʔaʃibukutu
「これは親達からいろいろの玩具をもらって遊ぶから」
真栄平房敬 ゆっかぬふぅぃーや すいなーふぁぬ みーだつる とぅーい
jukkanuhwiːja suinaːhwanu miːdaʦuru tuːi
「四日の日は首里・那覇の目立つ通り、」
真栄平房敬 かじまやー かじまやーんかい いーりむんまちぬ たっち にじやか やいびーたん.
kaʒimajaː kaʒimajaːŋkai iːrimummatʃinu tattʃi niʒijaka jaibiːtaɴ.
「十字路十字路に玩具市場が開かれてにぎやかでした。」
真栄平房敬 んかしぬ いーりむもー なまぬ いーりむんぬ ぐとぅし かにし ちゅくたい
ŋkaʃinu iːrimumoː namanu iːrimunnu gutuʃi kaniʃi tʃukutai
「昔の玩具は今の玩具のように金属で作ったり」
真栄平房敬 でんきしかきぬ むのー ‘あらん
deŋkiʃikakinu munoː ʔaraɴ
「電気仕掛けのものではない。」
真栄平房敬 かびし ちゅくてーる むんぬる ‘うふさいびーたる.
kabiʃi tʃukuteːru munnuru ʔuhusaibiːtaru.
「紙で作ってあるものが多かったのでした。」
真栄平房敬 ちょんちょん‘んまぐゎー ‘うっちりくぶさー ばんばたー かじまやー こーるーんでーぬ ‘あいびーたん.
tʃontʃoɴʔmmagwaː ʔuttʃirikubusaː bambataː kaʒimajaː koːruːndeːnu ʔaibiːtaɴ.
「馬人形、起き上がり小坊師、バンバター、風車、こまなどがありました。」
注1 ʔuqcirikubusa: 起き上がり小法師。那覇方言的発音をしている。首里では普通?uqcirikubusi:という。注2 bamNbata: 玩具の名。竹の柄の付いた円形の金属板の両端にひもをつけ、そのひもの先に小さい金属球をとりつけたもの。柄を回してカランカランと鳴らす。
真栄平房敬 いなぐわらびんちゃーや ‘うふるめんたーばく まーい まーいん すーてぃーちぬ はな もーぐさんでー まるみてぃ ちゅくてぃ 
inaguwarabintʃaːja ʔuhurumentaːbaku maːi maːiɴ suːtiːtʃiɴu hana moːgusandeː marumiti tʃukuti
「女の子供達はままごと道具、毬、毬も蘇鉄の花苔のような草(モーグサ)をまるめて作って」
真栄平房敬 ぐいる なないるぬ ‘いとぅし まち ちゅくてーる むん やいびーたん.
guiru nanairunu ʔituʃi matʃi tʃukuteːru muɴ jaibiːtaɴ.
「五色。七色の糸で巻いて作ったものでした。」
真栄平房敬 また ゆっかぬふぅぃーや まーぬ やーうてぃん ぽーぽー ちんびん ちゅくてぃ ‘うさぎやびーたん.
mata jukkanuhwiːja maːnu jaːutiɴ poːpoː tʃimbiɴ tʃukuti ʔusagijabiːtaɴ.
「また四月の日は、どこの家でもポーポー、チンビンを作ってお供えしました。」
注3 po:po: 料理名。卵をとき水をうめてそれで小麦粉をこねて、油を引いた鉄鍋で平たく焼き、豚肉、白味噌で作った油味噌を中に入れて巻いたもの。注4 ʨimbiɴ: 料理の名。小麦粉を水と卵でこねて黒糖を加え、油を引いた鉄鍋で焼いて巻いたもの。
真栄平房敬 ちんびのー くるじゃーたー たまぐぬ しるみ むじなくー ‘あんちょー そーがーし ちゅくてぃ 
tʃimbinoː kuruʒaːtaː tamagunu ʃirumi muʒinakuː ʔantʃoː soːgaːʃi tʃukuti
「チンビンは黒砂糖、卵の白身、麦粉、ふくらし粉、生姜で作って、」
真栄平房敬 ぽーぽーや むじなくー ‘あんちょー ‘あったみ しるみす さーたー そーがーし ちゅくてぃ 
poːpoːja muʒinakuː ʔantʃoː ʔattami ʃirumisu saːtaː soːgaːʃi tʃukuti
「ポーポーは、麦粉、ふくらし粉、肉、白味噌、砂糖、生姜で作って」
真栄平房敬 ‘あんだんすー なーかんかい くみてぃ まちぇーし やいびーたん.
ʔandaɴsuː naːkaŋkai kumiti matʃeːʃi jaibiːtaɴ.
「油味噌を中に入れて巻いたものでした。」
真栄平房敬 また ゆっかぬふぅぃーや ‘うみぬ ‘うにげーんやてぃ
mata jukkanuhwiːja ʔuminu ʔunigeːɴjati
「また四月の日は、海のお祈りでもあって」
真栄平房敬 なーふぁ とぅまい くにんだー はーりーすーぶん ‘うくなーりやびーたん.
naːhwa tumai kunindaː haːriːsuːbuɴ ʔukunaːrijabiːtaɴ.
「那覇泊久米は、爬龍船も行なわれました。」
真栄平房敬 なまー なーふぁ とぅまいんでーや ‘うぐゎんばーりーどぅ やいびーしが
namaː naːhwa tumaindeːja ʔugwambaːriːdu jaibiːʃiga
「今は那覇泊などは祈願爬龍船ですが」
真栄平房敬 ‘いちゅまんうてー まぎまぎーとぅ はーりーすーぶぬ ‘うくなーっとーいびーん.
ʔitʃumaɴuteː magimagiːtu haːriːsuːbunu ʔukunaːttoːibiːɴ.
「糸満では盛大に爬龍船競争が行なわれています。」
真栄平房敬 ゆっかぬふぅぃーや ふぅぃーぬ わっさんち わらびんちゃーかい いーりむん くぃてぃ ‘うっさしみてぃ
jukkanuhwiːja hwiːnu wassantʃi warabintʃaːkai iːrimuɴ kwiti ʔussaʃimiti
「四月の日は日が悪いと言って子供たちに玩具をやって喜こばせて」
真栄平房敬 ふにむちぇー ‘うみん ゆくてぃ ‘うぐゎん すんでぃぬ ちてーん ‘あいびーん.
hunimutʃeː ʔumiɴ jukuti ʔugwaɴ sundinu tʃiteːɴ ʔaibiːɴ.
「船乗りは海も休んで祈願をするとの伝えもあります。」
真栄平房敬 ぐんぐゎち ぐにちぇー ‘あまがし ちゅくてぃ ‘うさぎやいびーたん.
guŋgwatʃi gunitʃeː ʔamagaʃi tʃukuti ʔusagijaibiːtaɴ.
「五月五日はアマガシを作ってお供えしました。」
真栄平房敬 くれー ‘うめーしぇー ちかーんぐとぅ そーぶぬふぁー ぐっしんびかーん ちっち ‘うめーし がわいに ちかやびたん.
kureː ʔumeːʃeː tʃikaːŋgutu soːbunuhwaː guʃʃimbikaːɴ tʃittʃi ʔumeːʃi gawaini tʃikajabitaɴ.
「これはお箸は使わないで菖蒲の葉を五寸ばかり切ってお箸のかわりに使いました。」
真栄平房敬 じゅーぐにちねー ‘うまちーぬ ‘あいびーしが
ʒuːgunitʃineː ʔumatʃiːnu ʔaibiːʃiga
「十五日にはウマチー(豊作祭り)がありますが、」
真栄平房敬 にんぐゎち ぐんぐゎち るくぐゎちぬ じゅーぐにちに ‘うくなーりやびーん.
niŋgwatʃi guŋgwatʃi rukugwatʃinu ʒuːgunitʃini ʔukunaːrijabiːɴ.
「二月、五月、六月の十五日に行なわれます。」
真栄平房敬 くれー ほーさく‘うにげー すんでぃ
kureː hoːsakuʔunigeː sundi
「これは豊作祈願をするといって、」
真栄平房敬 また むんちゅー ‘あちまてぃ ‘うぐゎんすぬ ‘うまちー たみに 
mata muntʃuː ʔatʃimati ʔugwaɴsunu ʔumatʃiː tamini
「また、門中集まってご先祖のウマチーのために」
真栄平房敬 むーとぅやーんかい ‘あちまてぃ むんちゅー ‘うぇーかぬちゃー はんじょーぬ ‘うにげーぬ まちり やてぃ 
muːtujaːŋkai ʔatʃimati muntʃuː ʔweːkanutʃaː haɴʒoːnu ʔunigeːnu matʃiri jati
「本家に集って、門中、親戚繁盛の祈願の祭りであって、」
真栄平房敬 また ‘うぬ ふかに そーぐゎち ぐんぐゎち くんぐゎちに ‘うくなーりーる じゅーはちやー くゎんぬんぬ かいぬ ‘うにげー.
mata ʔunu hukani soːgwatʃi gungwatʃi kuŋgwatʃini ʔukunaːriːru ʒuːhatʃijaː kwannunnu kainu ʔunigeː.
「また、その他に、正月五月九月に行われる十八夜は、観音様の会の祈願。」
真栄平房敬 じゅーはちやねー くゎんぬんどー ふてぃんまぐんじん ちんぬ くゎんぬんどー でー うがでぃ
ʒuːhatʃijaneː kwannundoː hutimmaguɴʒiɴ tʃinnu kwannundoː deː ugadi
「十八夜には(首里の)観音堂普天間権現金武の観音堂など拝んで」
真栄平房敬 やーにんじゅ どぅーがんじゅーさする ‘うにげー するぐとぅ なとーいびーん.
jaːniɴʒu duːgaɴʒuːsasuru ʔunigeː surugutu natoːibiːɴ.
「家族元気であるようお願いをするようになっています。」