談話

瀬底の概況

沖縄本部瀬底島

本談話について

上間真好氏(大正8年生、当時49歳)が瀬底の概況について説明する。1969年8月22日の収録です。8分29秒。

上間真好 しーくじまぬ くにびらきや むかしぬ とぅしんちゃからぬ ふぁなしー きち みるん さーびれん,
ɕiːkuʥimanu kunibiɾakija mukaɕinu tuɕinʨakaɾanu ɸanaɕiː kiʨi miɾuɴ saːbiɾeɴ,
「瀬底島の国開きは、昔の年寄りたちからの話を聞いてみますと、」
上間真好 てーげー よんひゃくはちずーにんばかー なてぃん ふぁなしー いぇーびん.
teːgeː joɴhjakuhaʨizuːnimbakaː natiɴ ɸanaɕiː jeːbiɴ.
「だいたい四百八十年ばかりなっている話です。」
上間真好 ‘あんさーい ふぁじみや なちじんから
ʔansaːi ɸaʥimija naʨiʥiŋkaɾa
「ところで、初めは、今帰仁から」
上間真好 ななきねーぬ やーにんじゅぬ しーくかい ‘めんそーち,
nanakineːnu jaːninʥunu ɕiːkukai ʔmeɴsoːʨi,
「7軒の家族が瀬底へいらして」
上間真好 しまぬ ‘いちばん たかしぇーぬ ‘うちぐしくやま るぬ ‘あぬ ひんねー やーしき むとぅみてぃ,
ɕimanu ʔiʨibaɴ takaɕeːnu ʔuʨiguɕikujama ɾunu ʔanu hinneː jaːɕiki mutumiti,
「島の一番高いウチグシク山というあの辺りに、屋敷をもとめて」
上間真好 ななきねーさーい しーくじまや はじみてぃ
nanakineːsaːi ɕiːkuʥimaja haʥimiti
「7軒で瀬底島ははじめて」
上間真好 くにびらき しちぇんぐとぅ ‘あいびん.
kunibiɾaki ɕiʨeŋgutu ʔaibiɴ.
「国開きをしたようであります。」
上間真好 ‘あんさーい よんひゃくはちじゅーねんかんに じんこーん にしぇんさんびゃくにん
ʔaɴsaːi joɴhjakuhaʨizjuːneŋkanni ʥiŋkoːɴ niɕeɴsambjakuniɴ
「そこで四百八十年間に人口も2300人、」
上間真好 きねーん さんびゃくにじっこ.
kineːɴ sambjakuniʥikko.
「戸数も320戸。」
上間真好 なまや むとぅぶちょーねーてぃん ‘いちばん まぎしぇーぬ ‘あざんがてぃ なとーびん.
namaja mutubuʨoːneːtiɴ ʔiʨibaɴ magiɕeːnu ʔaʣaŋgati natoːbiɴ.
「今では、本部町でも一番大きい字になっています。」
上間真好 いぇー しまぬ ‘あらまし うふぁなしー さーびれー,
jeː ɕimanu ʔaɾamaɕi uɸanaɕiː saːbireː,
「え、島のあらましを話しましょう。」
上間真好 しまぬ まわりや にりはん, ながさぬ ‘いちり.
ɕimanu mawaɾija niɾihaɴ, nagasanu ʔiʨiɾi.
「島のまわりは、2里半、長さが1里、」
上間真好 ‘あんさーい そーちぶすーや じぇんぶさーい, むるさーい いぇー きゅーじゅーまんちぶりぬぐとぅ なとーいびん.
ʔaɴsaːi soːʨibusuːja ʥembusaːi, muɾusaːi jeː kjuːzjuːmanʨibuɾinugutu natoːibiɴ.
「それで、総坪数は、全部で、みんなで、ええ、90万坪ということになっています。」
上間真好 むかしとぅ くらしとぅ なまぬ くらしぬ (くら)びーねー しーくじまや ふんとー わくみじん ねーらん
mukaɕitu kuɾaɕitu namanu kuɾaɕinu (kuɾa)biːneː ɕiːkuʥimaja ɸuntoː wakumiʥiɴ neːɾaɴ
「昔と暮らしと今の暮らしを比べると、瀬底島は、本当に湧き水もない」
上間真好 たみねー めーにんめーにんぬ くらーしるーしや ‘うむーとぅ をぅじー すこーてぃ
tamineː meːnimmeːninnu kuɾaːɕiɾuːɕija ʔumuːtu wuʥiː sukoːti
「ために、毎年毎年の暮らしというのは、芋と砂糖きびを作って」
上間真好 くらしがたや (すー ‘えー) そーびーしが,
kuɾaɕigataja (suː ʔeː) soːbiːɕiga,
「暮らし(…え)していますが、」
上間真好 ‘えー ‘ぴゃいねー ‘あたい とぅしねーてー みじん ねーらぬ
ʔeː ʔpjaineː ʔatai tuɕineːteː miʥiɴ neːɾanu
「ええ、日照りにあたる年には、水もないので」
上間真好 はまさきがー はよーてぃ なー みじん くり せーかつ すーぬ ‘あたい いぇーびたん.
hamasakigaː hajoːti naː miʥiɴ kuɾi seːkaʦu suːnu ʔatai jeːbitaɴ.
「浜崎川に通って、もう、水も汲んで、生活するくらいだ。」
上間真好 ‘あんさーい わく ねーぬ くぬ みじあ ちゃぬふーじ ひち みじ しけーかやーち …
ʔaɴsaːi waku neːnu kunu miʥia ʨanuɸuːʥi hiʨi miʥi ɕikeːkajaːʨi …
「それで、湧き(水が)なく、この水は、どのようにして、水を使うかと…」
上間真好 しまーぬ ‘いちばん ‘ういぬ はーやまーるん とぅくまーにー けーがー ふってぃ
ɕimaːnu ʔiʨibaɴ ʔuinu haːjamaːrun tukumaːniː keːgaː ɸutti
「島の一番上のカーヤマーのところに、貯水池を掘って、」
上間真好 さんかしょばかー けーがー ふとーびーしが ‘うりー ながーり みじ ‘あちみてぃ
saŋkaɕobakaː keːgaː ɸutoːbiːɕiga ʔuɾiː nagaːɾi miʥi ʔaʨimiti
「三ヶ所ばかり、貯水池を掘ってますのは、それ流れ水を集めて」
上間真好 くぬ みじ ぬり なー しぇーかつん そーびーたしが,
kunu miʥi nuɾi naː ɕeːkaʦuɴ soːbiːtaɕiga,
「この水を飲んで、もう、生活もしていましたが。」
上間真好 また くまに ‘いわりぬ ‘あいびんさい.
mata kumani ʔiwaɾinu ʔaibiɴsai.
「また、ここに、いわれがあります。」
上間真好 ‘うぬ はーやまーぬ とぅくまーや くまねーや かみさま まつらり
ʔunu haːjamaːnu tukumaːja kumaneːja kamisama maʦuɾaɾi
「そのカーヤマーの所は、そこには神様(が)祀られ」
上間真好 くぬ かみさまぬ みじん かみさま りち まつらり
kunu kamisamanu miʥiɴ kamisama ɾiʨi maʦuɾaɾi
「その神様が、水の神様といって、祀られ」
上間真好 くぬ かみさまぬ めんしぇー…
kunu kamisamanu meɴɕeː…
「この神様がいらっしゃるから...」
上間真好 しーくぬ むらんちゅーや ‘くぬ みじ ぬりん ぬーん びょーきん さん しぇーかつねー じょーとーろー…
ɕiːkunu muɾanʨuːja ʔkunu miʥi nuɾiɴ nuːɴ bjoːkiɴ saɴ ɕeːkaʦuneː ʥoːtoːɾoː…
「瀬底の村人は、この水を飲んでも、何とも(なく)病気もせず、生活には、とても良いといって...」
上間真好 そー ‘ゆー しんこーぬ かみ ‘あがみーぬ くくるさーい くぬ みじ ぬり
soː ʔjuː ɕiŋkoːnu kami ʔagamiːnu kukuɾusaːi kunu miʥi nuɾi
「そういう信仰の、神を崇める心で、この水を飲んで」
上間真好 しぇーかつん ひち いぇー そーびーたん.
ɕeːkaʦuɴ hiʨi jeː soːbiːtaɴ.
「生活もして、ええ、していました。」
上間真好 いぇー しーくじまや ‘うみぬ はくまってぃ
jeː ɕiːkuʥimaja ʔuminu hakumatti
「ええ、瀬底島は、海が囲んで」
上間真好 ‘うみんちゅーが ‘うーしはらる ‘うむいやびーらふぁじ いぇーびーしが ‘あん いぇーびらん.
ʔuminʨuːga ʔuːɕihaɾaɾu ʔumuijabiːɾaɸaʑi jeːbiːɕiga ʔaɴ jeːbiɾaɴ.
「海(で働く)人が多いと思うはずですが、そうではない。」
上間真好 はるや なー よんじゅーまんちぶぬ ふぁるー ‘あいさびーとぅ
haɾuja naː jonʥuːmanʨibunu ɸaɾuː ʔaisabiːtu
「畑は、もう、40万坪の畑がありますから」
上間真好 むかしから ‘うみんちゅーちや ‘めんそーらぬ.
mukaɕikaɾa ʔuminʨuːʨija ʔmeɴsoːɾanu.
「昔から海(で働く)人というのは、いらっしゃらない。」
上間真好 むる ひゃくそー
muɾu hjakusoː.
「皆、百姓。」
上間真好 ‘うり そーびてぃ えー そーびん.
ʔuɾi soːbiti eː soːbiɴ.
「それを広めています。」
上間真好 ‘あんさーい すこいむんや むかしや なー ‘うむー.
ʔaɴsaːi sukoimuɴja mukaɕija naː ʔumuː.
「それで、作物は、昔は、もう、芋。」
上間真好 なー なかぐるから ちー をぅじん すこーてぃ さーたー しくてーびしが
naː nakaguɾukaɾa ʨiː wuʥiɴ sukoːti saːtaː ɕikuteːbiɕiga
「もう、中ごろからきて、砂糖きびも作って、砂糖を作っているが」
上間真好 ‘うむー やたんてーちゃんや なー むかしぬ ゆぬ ‘うむー. ‘ういるしや
ʔumuː jatanteːʨaɴja naː mukaɕinu junu ʔumuː. ʔuiɾuɕija
「芋であってさえも、もう、昔と同じ、芋。植えるのは」
上間真好 ちょーる すーまんぼーすーぬ しんぐゎちねー ‘うむー ‘ういりば なー ‘いっかねんかん ‘うむー ‘ういらぬ.
ʨoːɾu suːmamboːsuːnu ɕiŋgʷaʨineː ʔumuː ʔuiɾiba naː ʔikkaneŋkaɴ ʔumuː ʔuiɾanu.
「ちょうど、小満芒種の(頃の)4月に、芋を植えれば、もう、一カ年間、芋は植えない。」
上間真好 ‘あんひち めーにん めーにん がし.
ʔaɴhiʨi meːniɴ meːniɴ gaɕi.
「そうして、毎年毎年、餓死だ.」
上間真好 ‘なー けーむぬん ねーん, みじん ねーんねー なー けーむぬん ねーん.
ʔnaː keːmunuɴ neːɴ, miʥiɴ neːnneː naː keːmunuɴ neːɴ.
「もう食べ物もなく、水もなく、もう食べ物もない。」
上間真好 ‘うぬ くらしかたや あー そーびん.
ʔunu kuɾaɕikataja aː soːbiɴ.
「そんなくらし方をしています。」
上間真好 ‘うりや むかしから まーんくいん ‘あんやたら ‘うむいや さびーしが,
ʔuɾija mukaɕikaɾa maːŋkuiɴ ʔaɴjataɾa ʔumuija sabiːɕiga,
「それは、昔からどこもかもそうだった(との)思い(が)しますが、」
上間真好 しーくじまや なー ふぬ ‘うむーとぅ.
ɕiːkuʥimaja naː ɸunu ʔumuːtu.
「瀬底島は、もう、その芋と…」
上間真好 みじ ねーん ゆに くみん ちゅくゆーさぬ.
miʥi neːn juni kumiɴ ʨukujuːsanu.
「水のために、米も、作れない。」
上間真好 なー ‘うむばかーち なー しぇいかつ ひちょーびーしが,
naː ʔumubakaːʨi naː ɕeikaʦu hiʨoːbiːɕiga,
「もう、芋ばかりで、もう、生活していますが、」
上間真好 えー じぇんじぇん しーくねーや しまねーや たーや ねーやびらんしが,
eː ʥenʥeɴ ɕiːkuneːja ɕimaneːja taːja neːjabiɾaɴɕiga,
「ええ、ぜんぜん瀬底には、島には、田はないが、」
上間真好 はまざき ‘うぬ (‘あんち) ‘あんちぬー わたーてぃ てぃぶーにさー わたーてぃ
hamaʣaki ʔunu (ʔanʨi) ʔanʨinuː wataːti tibuːnisaː wataːti
「浜崎その(アンチ)アンチヌを渡って手船で渡って」
上間真好 えー たー まんなたーぶく くれーんがてぃ
eː taː mannataːbuku kuɾeːŋgati
「ええ、田満名田んぼあたりへ」
上間真好 しまーぬ ‘えーきんちゅたー たー むっち ‘めんそーち くみー ‘いくぶんか すこーてぃ えー そーびーてーしが,
ɕimaːnu ʔeːkinʨutaː taː mutʨi ʔmeɴsoːʨi kumiː ʔikubuŋka sukoːti eː soːbiːteːɕiga,
「島の資産家たちは、田を所有していらして、米をいくらか作って、ええ、やっておりましたが、」
上間真好 なー むかしぬ くらしがたーねーてぃや ‘うむーる どぅーなーぬ ふぁんめー にんじゅーぬ ふぁんめー.
naː mukaɕinu kuɾaɕigataːneːtija ʔumuːɾu duːnaːnu ɸammeː ninʥuːnu ɸammeː.
「もう昔のくらしには、芋が自分たちの食べ物、年中の食べ物(だ)。」
上間真好 なー くみや なー ‘あんまさるばー
naː kumija naː ʔammasaɾubaː
「もう米は、もう、気分の悪いとき、」
上間真好 また ‘ありや な ひちびぬばー … なー かるてーぬふーじ いぇーびん.
mata ʔaɾija na hiʨibinubaː … naː kaɾuteːnuɸuːʥi jeːbiɴ.
「また、あれは、もう、行事のときと言うように...もう食べていたようであります。」
上間真好 なまやてぃん たーや さーびらんしが やっぱし ふぁるばかー なといびんさい.
namajatiɴ taːja saːbiɾaɴɕiga jappaɕi ɸaɾubakaː natoibiɴsai.
「今でも、田はしませんが、やっぱり畑だけになっています。」
上間真好 ‘あー しーくじまや ‘な むかしから わくわ ねーらん.
ʔaː ɕiːkuʥimaja ʔna mukaɕikaɾa wakuwa neːɾaɴ.
「ええ、ああ、瀬底島は、もう、昔から湧き(水)はない。」
上間真好 なー てぃんしーみじ たみーてぃ えー ぬろーびたしが.
naː tiɴɕiːmiʥi tamiːti eː nuɾoːbitaɕiga.
「もう天水を溜めて、ええ、飲んでいましたが」
上間真好 ‘いじゃーぬ ‘んー しぇんきゅーひゃくろくじゅーさんねんぬ なー はんかにんぬ ぴゃーてぃ さびーたくとぅ
ʔiʥaːnu ʔɴː ɕeŋkjuːhjakuɾokuʥuːsannennu naː haŋkaninnu pjaːti sabiːtakutu
「去る、んー、1963年の、もう、半年も、干あがってしまったところ」
上間真好 ちゅーぬ くにねー みじん ねーんりち ‘あいんなーりち
ʨuːnu kunineː miʥiɴ neːɴɾiʨi ʔainnaːɾiʨi
「人の国に水もないということがあるものかといって」
上間真好 なー ‘あざみんや むる でぃー てぃーちや なー ぼーりんぐやてぃん しみーてぃ
naː ʔazamiɴja muɾu diː tiːʨija naː boːɾiŋgujatiɴ ɕimiːti
「もう字民は、皆どれ一つ、もう、ボーリングでもしてもらって」
上間真好 しぇーふぬ かたがた ぼーりんぐれーん しみーてぃ
ɕeːɸunu katagata boːɾiŋguɾeːɴ ɕimiːti
「政府の方々にボーリングでもしてもらって」
上間真好 みじ むとぅみん さんねーてぃや ならんしが りてぃ ふぁなしぬ なー むらくゎいねーてぃん ‘あてぃ さびーたぐとぅ
miʥi mutumiɴ sanneːtija naɾaɴɕiga ɾiti ɸanaɕinu naː muɾakʷaineːtiɴ ʔati sabiːtagutu
「水(の)求め(要求)をしなければいけないといって、話が、もう、村の集会でもありましたところ、」
上間真好 ‘あんさーい ちょーちょーさん えー ねー ‘うにげー ひち
ʔaɴsaːi ʨoːʨoːsaɴ eː neː ʔunigeː hiʨi
「そうすると町長さん、えー、にお願いして」
上間真好 なー ろくじゅーさんねんぬ ふぁちぐゎちぐる ぼーりんぐ さびたぐとぅ
naː ɾokuʥuːsannennu ɸaʨigʷaʨiguɾu boːɾiŋgu sabitagutu
「もう63年の8月ごろボーリングしましたところ」
上間真好 な ‘うむいがきない な みじぬ ‘いじゃびてぃ.
na ʔumuigakinai na miʥinu ʔiʥabiti.
「もう思いがけなく、もう、水がでまして。」
上間真好 ふかさや てーげー ひゃくななじっしゃく りゅーぬ とぅくまー ふてぃ さぐとぅ みじぬ ‘いじーてぃちー
ɸukasaja teːgeː hjakunanaʥiɕɕaku ɾjuːnu tukumaː ɸuti sagutu miʥinu ʔiʥiːtiʨiː
「深さはだいたい170尺という所を掘ったところ、水がでてきて、」
上間真好 なまや すいどー やーやー ‘いっち
namaja suidoː jaːjaː ʔitʨi
「今は、水道(が)各家(に)入って、」
上間真好 みじ ねーん ふじゆー さんぐとぅ りっぱな せいかつ ひち
miʥi neːɴ ɸuʥijuː saŋgutu ɾippana seːkaʦu hiʨi
「水のない不自由をしないで、りっぱな生活をして」
上間真好 むる なー がくもんぬ ちかーら.
muɾu naː gakumonnu ʨikaːɾa.
「全部、もう、学問の力(だ)。」
上間真好 ちゅーぬ ‘んー きかいぬ はったつ しーば ‘あんしん くとぅーん ないさやーりち
ʨuːnu ʔɴː kikainu hattaʦu ɕiːba ʔaɴɕiɴ kutuːɴ naisajaːɾiʨi
「人の、んー、機械が発達すれば、そんなこともできるんだなあと。」
上間真好 ‘あざみんや なー ちゅぬ しまねーん まきらん たーがん ちゅーねー わららんぐとぅ
ʔaʣamiɴja naː ʨunu ɕimaneːɴ makiɾaɴ taːgaɴ ʨuːneː waɾaɾaŋgutu
「字民は、もう、人(他)の島に負けない誰もが、人に笑われないように」
上間真好 りっぱな しぇーかつ な… むる なー ゆるくるぬ しれー いぇーびん.
ɾippana ɕeːkaʦu na… muɾu naː juɾukuɾunu ɕiɾeː jeːbiɴ.
「りっぱな生活(が)できるねと...皆喜んでいる次第です。」
上間真好 ‘あんさーい むかしや ‘うぬ しーくじまぬ わたさーりゅーしや
ʔaɴsaːi mukaɕija ʔunu ɕiːkuʥimanu watasaːɾjuːɕija
「そこで、昔は、その瀬底島の渡し舟というのは」
上間真好 むとぅぶぬ はまさきとぅ なー しーくぬ ‘あんちばまとぅしぇーい わたさー さーびてぃ
mutubunu hamasakitu naː ɕiːkunu ʔanʨibamatuɕeːi watasaː saːbiti
「本部の浜崎と、もう、瀬底のアンチ浜とで渡しをしまして」
上間真好 なー むかしぬ ふにり ‘いーねーてぃや たったなーりち なー まちしぇー ちゅくてーる ふにし
naː mukaɕinu ɸuniɾi ʔiːneːtija tattanaːɾiʨi naː maʨiɕeː ʨukuteːɾu ɸuniɕi
「もう昔の船というものは、タッタナーといって、もう、松で造っていた船で」
上間真好 ちゅー ぬりーば なー じゅーにんなー ‘あたいなー ぬてぃ ‘あんし ‘えーくさー ふじ
ʨuː nuɾiːba naː ʥuːninnaː ʔatainaː nuti ʔaɴɕi ʔeːkusaː ɸuʥi
「人が乗るのであれば、もう、10人(ずつ)ぐらいずつ乗って、そして、櫂で漕いで」
上間真好 なー ‘あんし ひちゅーてぃ なー (あー ちゅーん) しーくじまぬ ちゅーたー わたーてぃ
naː ʔaɴɕi hiʨuːti naː (aː ʨuːɴ) ɕiːkuʥimanu ʨuːtaː wataːti
「もう、そうして、もう、ああ、人も、瀬底島の人たち(が)渡って」
上間真好 とくん なー みじ ねーぬ ‘うー じだいねーが やいびねーてぃや
tokun naː miʥi neːnu ʔuː ʥidaineːga jaibineːtija
「特に水(も)ない大(大変な)時代ですから。」
上間真好 はまさきから みじ とぅいんり ‘うぬ わたさーねー なー みじん
hamasakikaɾa miʥi tuiɴɾi ʔunu watasaːneː naː miʥiɴ
「浜崎から、水を取るために、その渡しで、もう、水も」
上間真好 なー はやーち しぇーかつん くらしかたん ひちょーびーたしが
naː hajaːʨi ɕeːkaʦuɴ kuɾaɕikataɴ hiʨoːbiːtaɕiga
「運んで、生活も、暮らし方も、していましたが」
上間真好 なー ‘うりん とぅしー とぅいくーとぅ しんれーしんれー
naː ʔuɾiɴ tuɕiː tuikuːtu ɕiɴɾeːɕiɴɾeː
「もう、それも、年をとっていくと次第に…」
上間真好 ふぁじみや たったなーはら きかい しきーぬ ふにん りきーてぃ
ɸaʥimija tattanaːhaɾa kikai ɕikiːnu ɸuniɴ ɾikiːti
「始まりは、タッタナーから、機械を使う船もできて、」
上間真好 なまや なー むかしから ひかく しーねーてぃや
namaja naː mukaɕikaɾa hikaku ɕiːneːtija
「今は、もう昔から比較しますと」
上間真好 さった ‘うりん ろくじゅー ろくじゅーさんねんぬ ひちぐゎちねー なまぬ わたさーん りきーてぃ なー くるまん ちでぃ
satta ʔuɾiɴ ɾokuʥuː ɾokuʥuːsannennu hiʨigʷaʨineː namanu watasaːɴ ɾikiːti naː kuɾumaɴ ʨidi
「さったそれも、六十六十三年の七月に、今の渡しもできて、もう、車も積んで、」
上間真好 ほんとーん しーくじまん ぬーん かわらんをぅてぃ じどーしゃはら とらっくから ぬんくい なー しまーんかい をぅてぃ
hontoːɴ ɕiːkuʥimaɴ nuːɴ kawaɾaɴwuti ʥidoːɕahaɾa toɾakkukaɾa nuŋkui naː ɕimaːŋkai wuti
「本島も、瀬底島も、何も変わらずに、自動車からトラックから何でも、もう、島にいて」
上間真好 りっぱな くの わたさん りきとーん しれー いぇーびんさい.
ɾippana kuno watasaɴ ɾikitoːɴ ɕiɾeː jeːbiɴsai.
「立派なこの渡しも、なりたっている次第です.」