日本の危機言語

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トッツク  tot[tu]ku  [動]   2  (山梨県奈良田)
(1) くっつく【くっ付く】。カーバルは、品物がしわがよるなど強張っているの意味で使う(深沢1957: 134「外傷やぬれ紙などが乾きつくさま」)
例文1
カミカ゜
[ka]mʲi[ŋa]
イタイ
i[ta]i
トッツイテ
tot[tu]ite
トレノーヨーニ
tole[no]ːjoːnʲi
ナッタ
natta
「紙が板にくっついて、とれなくなった(逐語訳:とれないようになった)」
(2) はじめる【始める】。作業などにとりかかる。仕事を始める(深沢1957: 172)シコ゜トーなど対格をとる場合とシコ゜トイなど与格をとる場合がある。
例文1
シコ゜トイ
[ɕi]ŋotoi
トッツカデヨ
tot[ʦu]kade[jo
「今から仕事にとりかかろうよ」
出典
小西いずみ、三樹陽介、吉田雅子(2022)「山梨県奈良田方言調査ノート」