日本の危機言語

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いみしゃ]どぅ あい[  imiɕadu ai  [形]   c  (宮古水納)
(1) ちいさい【小さい】。〈いみしゃばな〉「小さい頃=子供のころ」の表現で分かるように、「幼い」の意味もある
例文1
やまかさどぅ
jamakasadu
えーたい
eːtai
「たくさんもらった」
備考 語源不明だが、〈いぴ〉「少し」の語根と関係あると思われる。北琉球や本土にはそれに対応する確実な語形が見つからないが、八重山諸方言には同源の形式が分布する。ただし、八重山では専ら「幼い」の意味で使われている。「幼い」が原義で意味が「小さい」に拡張したのか、それとも反対に八重山で意味の縮小が起きたのか、定かでない。また、水納島と多良間仲筋方言の両方言において〈いみ〉のアクセントが特殊な振る舞いを示している。〈-しゃ〉が付いた形式はc型だが、複合語の前部要素として名詞を修飾する際にa型のアクセントが観察される。その理由がよく分からない
アクセント資料
(1)
いみむぬまい=
imimunumai=
X+munu=mai
あらん
aran
...
(2)
いみむ!ぬまい
imimu]numai
X+munu=mai
あらん
aran
...
(3)
いみしゃ]どぅ
imiɕa]du
X-sa=du
あい
ai
ai
(4)
いみ]しゃまい
imi]ɕamai
X-sa=mai
ねーん
ne:N
ne:n
(5)
いみ]しゃまい
imi]ɕamai
X-sa=mai
ねーん
ne:n
ne:n
出典
セリック・ケナン、大浦辰夫(2022)『みんなふつ語彙集』国立国語研究所みんなふつ語彙集. http://doi.org/10.15084/00003679
同源語
地点 語形(音韻・音声表記) 音声 語形(仮名表記) ア型/類 意味 出典
与那国祖納 ibisaN いびさん 幼い 与那国方言辞典編集委員会(2021)